きらめきの里・園だより 2025年3月号
2025.03.05

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卒園式まで、残る療育日は16日。今年度もきらめきの里の療育・活動に、ご理解ご協力を頂きまして本当にありがとうございました。職員がモデル提示しながらお伝えし続けてきた『好い事作り療法』を保護者の皆さんが実践してくださったことで、お子さんは安心感の中で自分の思いを主張し、それを受け止めてもらいながら、それぞれのペースで沢山の成長を見せてくれました。
親子通園の中で保護者の皆さんが、どれだけ子どもの発達を理解し、遊びや感情を共有することを積み重ねてきたか…、そのがんばりは、必ずお子さんの健やかな成長の基盤となります。そして努力してきた方々は、将来の子育ての苦労や、親子の困り感を、(努力しなかった場合の)何分の一かに減らした結果になっていると思います。
お子さんの心に寄り添い、付き合いきって親力をアップしてきた多くの保護者の方々が、これからも自分の『親力』とお子さんの力を信じ、困った時は周りの人の力も借りて、子育てしてくださるよう願っています。
きらめきの里は、これからも「親子で楽しく様々な経験を重ねながら、親子の幸せを作る場所」であり続けたいと思います。
★『好い事作り療法』って何? 『図星』を言うって…その意味は?
入園してまだ日が浅い方もいらっしゃるので、改めて紹介したいと思います。
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楡の会の職員が実践している『好い事作り療法』(楡式療育法)は心理療法を用いた子育て法です。
子どもの心に『わかってもらえている感(わかってもらえているんだと言う思い)』を作るために、『図星を言う』ことを提唱しています。『図星を言う』とは、子どもの心を推察して言い当てることです。
大人が図星を言って、子どもに『わかってもらえている感』を作ると、『この人は僕の味方・わかってくれている人だから安心。この人の言うことなら聞こう!』という『聞く耳』を子どもは持てるようになります。
いつも「ダメ!」と行動を制止されていたり、子どもが思いを伝えようと頑張っても受け止めてもらえず「この人はわかってくれない。」と思ってしまったら、子どもは大人の言うことを聴こうという意欲(聞く耳)をなくしてしまいます。まず、図星を言って『わかってもらえている感』を作ってから、「~した方がいいよ」と、やり易い、真似し易い手本(やって良い事)を提案することで、親子共に困っていることを減らすことが出来ます。
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この『図星を言う』は、子どもの思いを受け止める『受容』が前提となります。
受容的な関わり方の主な技として、
◎二つ先のアナウンス:予定を2つずつ順繰り先に提示・声掛けをして、見通しを持たせて安心を作る。
視覚・聴覚など…、子どもに伝わりやすいアナウンス方法を工夫する。
◎褒める・OKの声掛け:認められている、褒められている満足を作る。
心からのOK・褒め言葉、頑張りを認める⇒次への意欲を作る。
◎提案・選択肢の提案:「~しよう」「~がいいね」の声かけ。否定・制止でなく肯定文で・自分で決めた満足を作る。
◎カウントダウン:満足先行で気持ちを切り替える(親子の交渉)
例→「10出来たね!いっぱい出来て良かったね!次は~しよう
◎好きな物・事の利用:不安を乗り越えるための心の杖、安心グッズになる。「これがあれば大丈夫」=お守りに。
◎やっても無害に:子どもの好ましくない行動を否定せず、これならいいよ~の代替案を示してお手本を見せる。
…などの方法を実践して、私たち職員は日々療育しています。保護者の皆さんも、職員と一緒に実践していくことで、お子さんの成長を促し、お子さんと自分の幸せ作りをしていきましょう!